アシスタント編 ⑥接客・接遇マナーⅥ 大事です、「会話」
指名の第一歩は「会話」から
お客様との関係を築いていくためには、まず「会話」がスタートだと思います。
自分より年上の人に対して「敬語」を使うというのは社会人として当たり前のこと。しかし接客業に携わるみなさんであれば、年上だけではなくすべてのお客様に対して敬語を用いるべきです。(あくまで“基本的には”です。小さなお子さんに話しかけるときなどは敬語だと逆に不自然なので、状況に応じて臨機応変に対応してください)
そしてすべてのお客様とスムーズに会話ができないと、支持もされないし、もちろん「お客様指名」もいただけないでしょう。そのためには「敬語」を話すだけでは不十分です。そこには「会話の中身」が肝心になってきます。「敬語」プラス「言葉づかい」について考えてみましょう。
聞いてはいけない“言葉“
社会人(接客業)として、「お客様との会話に相応しくない」と言われている“言葉”を挙げてみました。
1:政治関係
2:宗教関係
この2つに対する考え方は人によって千差万別です。日本はそうでもありませんが、国によってはこれらが原因で戦争にまで発展する場合もあります。そんな非常にデリケートな話題ですので、お客様から話をされない限り、こちらから話題を出さないほうがよいでしょう。しかし、この2つだけを気をつければそれでいいわけではありません。
会話というのは、相手が気持ちよく感じてくれる“言葉のやり取り”だと思います。
たとえば、「結婚関係」の会話でも、楽しい場合とそうでない場合があります。お客様のおかれている状況とその場の雰囲気を考えて会話しないと、とんでもない失言になってしまいます。
また、最近は「※1個人情報保護法」という法律ができるなど、「個人のプライバシー」がかなり尊重される時代になりました。お客様のプライバシーを尊重しているサロンでは、自分たちからお客様の職業を尋ねない、という方針を取っていたりします。
しかし、お客様とよりスムーズなコミュニケーションをはかるためには、好きなことや嫌いなこと、また、最近関心のあることや興味のあることなどの情報を集めて「会話」することが大切になります。そうでなければ人間関係を深めることができないからです。
基本的には聞き役にまわり、何気ない会話のなかからお客様の情報をインプットし、それらをコミュニケーションに活かすのがよいのではないでしょうか。
また、こちらから話題を提供する場面ではどうすればいいのでしょうか。先輩のお客様や新規のお客様など、あまり知らない人と会話をするときには、一般的な世間話よりも、「ヘア・アドバイザー」として、髪のことを話題にするのがよいと思います。無理に背伸びをしての会話は、お客様から見てもけっして感じのよいものではありませんので。
※1サロンで集めたお客様の個人情報を、顧客管理など本来の用途と違った形で使用することは法律で禁じられています。気をつけましょう。たとえばカルテに記入していただいた情報をもとにしてお客様の了承を得ずに、勝手にDMを送ることはNGです。